2013年12月18日水曜日

昼のマカオの楽しみ

マカオといえば、博打に女遊びと相場は決まっているようですが、意外とぶらぶらと街歩きをするのも楽しいものです。香港ではなかなか見られないようなゆっくりした下町の風情が残っているので、夜遊びに興味がない人でも半日くらい訪ねてみるのも悪くありません。

夜遊びに興味のない人は、わざわざホテルの限られたマカオに泊まることはないでしょう。香港から昼にフェリーで行って、夜のフェリーで帰るくらいでちょうどいいでしょう。


まず、十月初五日街と新馬路の交差点から歩き始めます。

するとすぐ右側に大龍鳳茶樓という飲茶屋がありますので、そこで遅めの昼飯を食べましょう。地元の老人であふれかえっている店内は、まさに本場感があります。龍鳳鮮蝦餃は全くお勧めしません。蠔油鮮竹巻と鮮竹牛肉球は美味しかったです。

そのまま道を歩いて行くと、また右側に南屏雅敍という古い喫茶店があります。ここはとにかく古くて雰囲気の良い店です。ここでは鴛鴦茶という珈琲と紅茶を混ぜたものか、杏仁露という杏仁パウダーの飲み物がおすすめです。あとパンやサンドイッチなども良いです。

どちらの店も混んでいますが、ずかずか入り込んで空いてる席に座って席を取ります。しかし、たまに老人の常連席だったりして、追い出されたり無理矢理に相席されることもありますので、そういうときはどきましょう。

そのあと裏の道に入って洪馨椰子でココナッツアイスを買って食べながら歩きましょう。このココナッツアイスは、ココナッツ好きには本当にうまいのでお勧めです。


私がマカオを訪れる理由の一つは、MacauSoulというワインバーを訪れるためです。

ここはイギリス人の老夫婦が経営しているワインバーで、内装や食器にとことんこだわっており、塵ひとつない極めて美しい雰囲気を保っています。ポルトガルワイン専門で、グラスワインはマデイラを除けばありません。あとはウィスキーとアグアルディエンテとビールなどがあります。

店主も常連客も、とても上品で落ち着いた佇まいを保っており、一見客はかなり気圧されるでしょう。しかし節度を持って接していれば、親切にいろいろと教えてくれます。

16時くらいに開いて、20時くらいには閉めてしまったりするし、よく休んでいるので、行くときは電話で確認するほうがよいでしょう。美しい内装が楽しめるように、早い時間に行くことをお勧めします。

このバーは本当にお勧めのお店です。まず間違いなく世界でも最高のバーの一つだと思います。とても美しい内装と食器類、とても個人的な経営、よい音楽、よいワイン、最高のチーズなど、どれをとっても最高です。このようなバーは、ほかにないでしょう。

店の内装には数年間をかけ、食器はチェンマイのMengrai Kilnというところで特注してつくったタイの陶磁器を使っています。

店主は英国製のチーズをスーツケースに詰めて持ち帰ってくるそうです。さらに、そのチーズは、小さな農場などで作られたチーズで、普通にスーパーマーケットなどで買うことはできず、代理人に頼んであらかじめ仕入れてもらっているそうです。ここまでこだわりぬいたものを提供する店を見たことがありません。

もしバーを愛する人であれば、飛行機に乗ってでも訪れるべき名店です。バー好きではなくても、素敵な雰囲気の店を愛する人であれば誰でも楽しめるでしょうけども、ぜひ本当に良いものを愛する人たちだけが訪れてほしいなあ、と個人的には思うのでした。

場所はSt. Paul聖堂跡のすぐそばにあります。


これらの店の情報は、すべて"地球の歩き方 マカオ 2012~2013版"に掲載されています。マカオ専門のガイドブックがでていることにも驚きますが、このような渋い店ばかり掲載するとは、執筆者は只者ではないと感じさせます。

どの店も「海外旅行初めてなんです。外国語もまったくできません」という人が入ったら、かなり圧倒されるのではないかなと思いますが。

「ガイドブックに載っているお店なんて!」などという旅行者もいますが、じつは最近のガイドブックには変な店はあまり載っていないものです。自分でそこらの適当な店に入るよりは、ガイドブックを活用するほうがずっと間違いがありません。

Lonely Planetや地球の歩き方には情報もかなり新しいものが掲載されており、観光客が殺到して評判が落ちたような店は翌年にはすぐに除外されています。

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